白浜カンファレンス2008 ・ レポート

   以下のとおり白浜カンファレンスを実施した。

    日 時 : 2008/11/30(日)13:00〜12/01(月)
    場 所 : 南紀白浜 ホテル・シーモア
          白浜町田野井小学校(資料室、体育館)
          白浜第一小学校、白浜中学校
    主 催 : 社団法人日本技術士会近畿支部
    後 援 : 白 浜 町  、白浜町教育委員会
    協 賛 : 株式会社竹野内情報工学研究所
	参加者 :石桁正士、村山涼二、福岡 悟、亀尾恭司、稲浦綾、立谷誠一、
		 綿田弘、小島康男、竹嶋徳明、渥美正道、竹野内勝次、
		 榛沢美保、毛利敦紀、森末清成 (敬称略、部分参加含む)

<第1部> 科学技術討論会  
   基調講演「技術者と哲理工経」  石桁正士 大阪電気通信大学名誉教授・工学博士
    日 時 : 2008/11/30(日)13:00〜15:00     場 所 : 白浜町田野井小学校資料室     テーマ : 基調講演「技術者と哲理工経」  石桁正士 大阪電気通信大学名誉教授・工学博士      報告者: 竹野内 勝次 技術士(情報工学部門)      石桁先生は、学生時代の学芸学部から大学院時代、助手から教授の期間を通じて、教育分野で哲学・理学・工学を      学ばれ、最近は理事を務められて大学の経営にも携われた。その幅の広い経験に基づいて、「教育の哲理工経」と      いう論文を発表され、教育界でも話題を呼び好評を博した。今回は技術者のために、幅の広い視野で仕事に取り組      むべきであると、分かり易く例をあげて説明していただいた。      どんどん工学分野が細分化されて、自分の専門分野、担当以外が分かりづらくなってきていて全体像が分からない      ばかりか、何人もの専門家が集まらないと解決ができなくなってきている。      まず哲学を悟り、そして真理を求め、それを社会のために有用なものを作り、そこで終わるのではなく、経営者に      も助言できるようにならねばいけない。      技術者は、深い専門知識・技術を持つだけでなく、それプラス幅広い思考能力、判断力を持たねばいけない。
     報告者: 森末 清成 技術士(情報工学部門)   内容:    石桁先生は、教育学(哲学)、物理学(理学)、電気工学(工学)、学校経営(経営学)と経験されたが、関連性を感じるとのこと。   哲(さとる) 無矛盾な体系を作る思索の学問   理(ことわり) 事実や法則性や原理を明らかにする事実学   工(たくむ) 技法を工夫する学問   経(いとなむ) システムや組織を管理・運営するための学問   教育でもこの階層性を意識し、知識を勉強させるだけでなく、目的を持ち、ラーニングアウトカムズを明確にして創造的活用が可能な学び方をさせなければならない。   そのためには、人間的接触が重要で、TA(ティーチングアシスタント)やSA(スチューデントアシスタント)の利用が有効である。
     報告者: 榛沢 美保 技術士(情報工学部門)      <技術者へのことば>      フィロソフィーを持ってほしい。でなければ単なるテクニシャンになってしまう。      また、経営を意識しなければ技を誇るだけになってしまう。      <技術者にお願いしたいこと>      エンジニアにとって大切なのは、人を育てることだと思う。例えば今、原発が安全だと言い切れる、      理由として技術は当然であるが、もうひとつ、しっかり教育を受けた人たちが運用しているからである。      教育がなくなれば、技術だけでは安全とは言えなくなってしまう。      技術者には是非、教育ということを意識して欲しい。      <子供たちに残す言葉>      子供たちの理科離れを心配している。子供たちには、日本の技術の素晴らしい成果を是非見せて欲しい。      危ないからとか、企業秘密などと言わず、子供たちに価値観を与えてほしい。      こんなすごいものを作っているんだという感動を与えてほしい。
討 論 : 日 時 : 2008/12/01(月)9:00〜15:00 場 所 : 南紀白浜 ホテル・シーモア テーマ1: 技術者は社会のために何をなすべきか 現状を放置すれば、重要なのに無くなる技術が出てくる。例えば、橋梁作りの先端技術は本四架橋で終わり、今や先端は中国になってしまった。また、非鉄精錬の技術は日本になくなりつつあり、数社あったアルミニウム精錬は日軽金だけになってしまった。電力に単価が高いため海外に移ってしまったからである。さらに、化学会社は製造から研究開発中心に変わっている。 技術者は現在、個々の会社に属しているが、技術発揮の対象が減ってくると、技術の実践力応用力が弱くなり、やがては居なくなってしまうことになる。伊勢神宮の式年遷宮のように、戦略的に共通の管理下で仕事を作り継続的に発展させてゆく必要があるのではないか。継承すべき技術に対して、利用の機会を確保し、継承発展を図るべきである。 テーマ2: 社会に向かって何を情報発信すべきか 問題解決の論評を大学教授の求めるより、本来は技術士に聞くべきだが、そうなっていない。なぜだろうか。大学には専門分野別に担当の専門記者が居る。技術士もマスメディア(新聞等)に売り込むことが必要。存在が知られなければ社会に発信できない。技術士会では、産経ビジネスアイや日刊工業に記事を提供し、継続している。もっとこれらの機会を活かすべきである。 食品部会では、食品の安全安心のため、160名の会員が専門別の記事を書き、出版をしている。出版も有効である。 テーマ3: 子供たちに何を残すべきか 小学校の先生は女性で文科系。理数が苦手というのが増加するのは、その影響を受けているかも知れない。国語でも、分り易い文章のための論理よりも芸術である文学を教えている。 理科がすきになるには、身の回りの「なぜ」に応えるのが、身に着く教育につながる。多様な日本の自然や環境に即した内容の教材にすべきである。地域の動植物や季節の自然現象にあわせた教材とすべきで全国画一の教育ではだめではないのか?茨木市では、ノイバラの町としてノイバラにくる虫など、よい絵本が出されている。感動やアハ体験の影響で理数分野に興味がでてくるのではなかろうか。 シニア自然大学、環境教育ボランティアをしている。自然史博物館での読書会も良いと思う。 サイエンスカフェや子供への啓発活動は今後も続けたい。また、デジタルハリウッドや技術士に協力いただきサイエンスカフェをWebに乗せてゆきたい。
    討 論 : 技術者は社会のために何をなすべきか               社会に向かって何を情報発信すべきか               子供たちに何を残すべきか
 白浜セミナー/カンファレンス出席報告 ( 亀尾恭司   亀尾技術士事務所 代表 )   今後の技術者、技術士のあり方、行動指針、後世へ何を残すべきか等々について   現状認識を踏まえて、活発な討議がなされた。   特段の意見の違いはなく、世間の技術離れ、子供たちの理科離れ、東京一極集中、   過疎過密の問題等の認識では出席者の意見は一致、今後、どんどん社会に向かって、   情報発信をしていく必要性を改めて認識/確認をした。具体的には、サイエンスカフェ、理科支援、   マスコミとの関係緊密化、支援団体の発掘等々、今後の活動を活発化していくことを出席者全員で   誓い合った。

<第2部> 白浜サイエンスカフェ2008     日 時 : 2008/11/30(日)14:00〜     場 所 : 白浜町田野井小学校体育館     テーマ : 「食品の安全と安心」    村山涼二 技術士(農業部門・農芸化学)           「南海地震と防災」     福岡 悟 技術士(建設部門)福岡技術士事務所 所長            「光通信とブロードバンド」 亀尾恭司 技術士(電気電子部門)亀尾技術士事務所所長  白浜セミナー/カンファレンス出席報告 ( 亀尾恭司   亀尾技術士事務所 代表 )  1. 白浜サイエンスカフェ  テーマ 光通信とブロードバンドの世界  日時  11月30日  午後2:00〜5:00  於    旧田野井小学校 体育館   インターネットに代表される最近の情報通信の世界を支える   光通信の原理、光ファイバーの構造、レーザー光線の実際をシンプルなカラー映像を用いてわかりやすく解説した。また、光ケーブルのサンプルと実際のレーザー光線を見せて実感していただいた。その後、これらを用いたブロードバンドの世界の今後の発展を   例を挙げて解説、加えて動画も交え最近の研究動向にまで言及した。   当地区にも近々NTTの光インターネットが各戸に導入されるとあって、熱心に聴視を受けた。   最後、光インターネットが導入されたときのセキュリティソフトの問題について簡単な質問があり、   NTTの場合はNTTから提供される旨、お伝えした。前2件のテーマが長引き時間を大幅に超過していたが、   皆さん最後まで熱心にお聞きいただいた。
? <第2部> 白浜サイエンスカフェ2008     日 時 : 2008/11/30(日)14:00〜18:00     場 所 : 白浜町田野井小学校体育館 テーマ :(各講演の内容は当日配布の資料を参照ください) 「食品の安全と安心」     村山涼二 技術士(農業部門・農芸化学) 食品の安全は科学(サイエンス)で判断すべきある。許容一日摂取量(ADI: Acceptable Daily Intake)や急性参照用量(ARfD)といった「リスクのものさし」を正しく理解し、関係者が正しく運用するとともに、偏りのない正しい知識・報道(新聞・テレビ)が重要である。消費者も知る努力をして、消費期限、賞味期限を正しく理解して安全・安心を実現したい。 「南海地震と防災」     福岡 悟 技術士(建設部門)福岡技術士事務所 所長  世界の地震の10%は日本で起きる。海洋型地震と活断層型地震があり、被害も変わってくる。地震が起こると、高速道路が壊れ倒れたり崖崩れ・地滑り・土石流、また津波が起こったりする。地震の大きさはいろいろで、マグニチュードで表すが、1違うと規模は32倍である。 地震の被害から身を守る防災・減災が重要である。地震予知では、いろいろな現象が報告されているが、決定的なものはない。ようやく緊急地震速報が始まった。 大震災に備えて-自分でできる地震対策としては、家具転倒防止、食器滑出し防止、落下物防止、出口確保、火災予防などを配慮すべきである。また、避難先、医療機関、公共施設を書いた「防災マップ」を作成しておくことも重要。 建物に「すじかい」を入れると有効なことを簡単な実験で説明された。 「光通信とブロードバンド」  亀尾恭司 技術士(電気電子部門)亀尾技術士事務所所長 通信に光を利用することで雑音などが入らず大量のデータが早く送信可能となる。 そのために利用する光ファイバーは、レイザー光を全反射させることでその特徴を活かして低損失・広帯域・細経軽量・無誘導の通信を実現する。 これらの技術を利用することにより、生活・産業・仕事・医療・教育など広い分野で大きな変化が予想されている(u-Japan構想参照)  追記:この後、立谷町長より白浜町が、医療面で光通信を利用して地域にいながら京大病院などの先進医療を受ける仕組みを、モデル事業として推進中であることが紹介された。 以上(作成 森末清成 2008/12/7)
<第3部> 児童・生徒向け特別授業
    日 時 : 2008/12/01(月)10:30〜11:15(3時限目)
    場 所 : 白浜第一小学校
    テーマ : 「世界の難民〜子どもたちを助けよう〜」
    講 師 : 株式会社竹野内情報工学研究所・研究員
                大阪電気通信大学講師、 千里金蘭大学講師、
          (社)ガールスカウト日本連盟 大阪府支部国際委員長
                         稲 浦  綾





     報告者    渥美 正道 (NPO法人 Iターン交流プラザ代表)   白浜町教育委員会 総務学事課庶務係 係長 古守繁行氏が運転する、白浜町役場の公用車で、   白浜町立白浜第一小学校に、予定時刻15分前に到着。校長室にて西原正博校長と面談。   社会で活躍している人の話を聞ける機会を得て有り難いとの歓迎の意を述べられた。   会場にてプロジェクターの調整を終えた、定刻の10時30分に、6年生2クラス40名の生徒が先生の引率で入室。   稲浦さんのお話しが始まった。   ガールスカウト活動のこと、ミャンマーの子供達を支援する活動のこと、   ミャンマーの孤児院を訪問した時のこと、   ガールスカウトのメンバーと取り組んでいるポリオワクチン接種を世界の恵まれない子供達に広める活動のことなど、   現地の子供達と行ったゲームを交えながら話した。   子供達は、講師の質問や、説明に、熱心に聞きいいって、50分程の時間がアットいう間に過ぎた。   最後に引率の男性教諭が「本校でもユニセフ募金活動などを行っているが、今日、   実際その活動に取り組んでいる人のお話しを聞いて、自分たちの活動がどういう役に立っているか、   理解しながら活動に取り組めると思う」とのお礼の言葉があった。
     報告者    森末清成   技術士(情報工学部門)   内 容 : 講師が、今春1週間にわたり、ミャンマー連邦に滞在し、         孤児院や障害者支援センターを訪問し、現地の子供たちと触れ合った。         その体験を写真や動画を交えて紹介し、         世界の子どもたちの現状を知り考えてもらう機会とした。   日 時 : 2008/12/01(月)13:30〜14:20(5時限目)   場 所 : 白浜中学校体育館 (参加推定160名)   テーマ : 「南海地震と防災」   講 師 : 技術士(建設部門)         社団法人日本技術士会・近畿支部長         福岡技術士事務所 所長            福 岡  悟    内 容 : T.地震の起こるわけ         U.地震の被害から身を守る(防災・減災)
   日 時 : 2008/12/01(月)13:30〜14:20(5時限目)
   場 所 : 白浜中学校
   テーマ : 「南海地震と防災」
   講 師 : 福岡 悟 技術士(建設部門)
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